前回に引き続き、PDX-Z10をお借りしたので実機解説&試聴編?をお届けします。
「扱えない音楽ソースは無い」という感じのZ10ですが、もはやリストアップするだけでも大変な事に。これ全部テストするのは無理です…
- Disc
- SACD(2ch)
- AudioCD
- データCD(MP3/WMA)
- FM/AM
- ANALOG (LINE1/2/FRONT IN)
- PHONO(MM)
- iPod
- USB Mass Storage(MP3/WMA/MPEG-4 AAC/WAV/FLAC)
- DLNA(MP3/WMA/MPEG-4 AAC/WAV/FLAC)
- Internet Radio
- Bluetooth(A2DP with AVRCP):オプション
普段アップルロスレスフォーマットで貯めている人もiPod経由でサポートしていますので、oggやapeなどの(特殊な)フォーマットを使う人以外はカバーできるでしょう。
なお、ビットレートなどフォーマットの技術的な詳細はFAQで確認できます。
HOME MEDIA GALLERY」内で再生可能な音楽ファイルのフォーマットは?
聴いて批評してみようかとも思ったんですが、そんなボキャブラリーがありませんでした(苦笑)他の人にお任せします。
接続したスピーカーはKEFのiQ3。現行製品では
iQ30に相当しますが、鳴らしやすくハイCPで有名なスピーカーだと思います。最近は殆どイヤースピーカー(= ヘッドホン)のSTAX SRS-3030を使っていますが、ライン出力前提の製品なので、今回の試聴では意味が無く接続していません。
ハードウェアは、操作がリモコン主体のため本体側はトレイのオープン/クローズ、入力切り替え、再生/一時停止、停止、前、後という最低限のボタンが上面パネル前部にタッチセンサーで装備されているだけで、ぱっと見ボリュームノブのみのとてもシンプルなデザインです。薄型で発熱も少ないのは嬉しいですね。また、有機ELディスプレイがフルドットで漢字表示にも対応しているのはさすが日本製です。ただ、どのレビューでもたいてい出てきますが、3行表示というのはさすがにつらい…さらに加えて、殆どのソースが階層メニューになる為、離れたところからリモコンを駆使して選曲するのは無理があるとしかいえません。しかたないのでリモコン持って機器のそばまで行ってました(苦笑)メーカーとしても満足していないという事ですが、これは解決方法ありますかねえ。手元でコントロールできるリモコンでもつくらないときびしいかな?
今何とかなる範囲だと、DLNA1.5のコントローラーと附属の赤外線リモコンの併用でしょうか。現時点ではiPhone/touchのPlugPlayerが知られていますがメーカーのお話によると一応PDX-Z10でも使えるとのこと。これならインタフェース的にも悪くありません。iPod対応のことも考えると、Bluetooth A2DPにも対応した第三世代iPod touch 8Gあたりとセットで使うのが推奨なのか? (^^;)
さて、沢山ある対応フォーマットから今回試せたのは
- Audio CD
- iPod (アップルロスレス)
- iPhone (Bluetooth A2DP)
- USBメモリ(MP3/FLAC)
- DLNA (MP3,AAC,WAV)
- Internet Radio
です。
※FLACはWinAMPをPCにインストールしてCDからリッピングしました。
iPodは先にレビューしたONKYO ND-S1と同じくデジタル接続になるため音質はすばらしく、操作もiPod側とリモコンの切り替えが可能なため長めのケーブルでつなぐというのもいいかもしれません。
DLNAについては、これからDLNAを試してみようという方の参考にもなるかと思いリリース直前のWindows 7のDLNA機能を試してみました。
最初からリッピングソフトもDLNAも内蔵されていますので準備も何も必要なく、PCにCDを入れてWindows Media Player 12でリッピングするだけ(あ、WAVに取り込み設定を変える方がいいですね)。PDX-Z10のHome Media Galleryからパソコンの共有名が見えるので、それを選ぶと先程リッピングした曲が選択できます。通常はWindows側でアクセスが制限されていますのでコントロールパネルのネットワークと共有センターからアクセスを許可するとアクセスできるようになります。
DLNAサーバーが家庭内ネットワークにたくさん見える非一般家庭ですが、PDX-Z10のメニューに全部リストアップされました。先程のようにパソコンをDLNAサーバーにしてもいいですし、パイオニア本社でのデモのように省電力と静音を兼ね備えた2.5インチHDD内蔵のDLNA NASを準備してそちらにコピーするというのもいいですね。デモで使用されていたのはIO DATAのHDLP-Gシリーズのようです。音楽ファイルならビデオと違って容量も食いませんし、DLNA機能がFLACを含むPDX-Z10の再生フォーマットを全てカバーしているのでベストマッチでしょう。
インターネットラジオはごく初期にいくつか聴いてみたくらいでそれからずっとアクセスしていなかったんですが、これには最初からかなりの局がプリセットされていますので適当に彷徨っているだけでかなり楽しめました。一杯ありすぎて迷うかと思いますが履歴のメモリやvTunerという管理サイトもあるので問題ありません。いや、とりあえず聴いて回らないといけないんですけど…
BluetoothについてはA2DPが圧縮伝送なので正直どうなのかと言い切っていましたが、USB Audio IFはついていませんし、DLNAを使ったネットワークオーディオではなくノートパソコンからの音楽を直接再生する為の汎用インタフェースとしてはワイヤレスという事も含めてこれが正しいのかもしれないと考えるようになりました。え?携帯電話?着うたフルのユーザーはこれ買わないでしょう。しかし、最近はA2DP専用のDAコンバーター(Chordette Gem)とかまで出てるんですよね。認識を改める必要があるんでしょうか
先日の場でも一体型のレシーバーという事で希望小売価格150,000円という価格は実際内容的にどうなのかという意地の悪い質問も出ていましたが、メーカー的にはアンプとプレイヤーで半分ずつくらいの値段で考えてくれればいいかなと回答されていました。普段使っていて比較対象になるアンプがAVアンプ(TA-DA3200ES)なので試聴しても比較する意味が無いというか、やっぱりいい音がしますね。サラウンドやめて2chステレオに組み直そうかなー…
個人的にはせっかくの高音質なフルデジタルアンプやサンプリングレートコンバーター搭載なのにデジタルソース用にDIGITAL INやUSB AUDIO IN(PC用)が無いのが非常に残念ですが、これはパイオニアの方に話を伺ったところ議論にはなったが製品の位置付け的に搭載しなかったとのこと。AV機器と組み合わせてリビングに設置するよりは、単体で寝室や書斎に置いて音楽を聴いてほしいということのようです。
さて、実際に使ってみてどうなのかということなんですが、意欲的な作品とはいえやっぱり多機能すぎて積極的に普通の人にお勧めするポイントが見つかりませんでした。もうちょっと機能を絞り込んだ方がいいような? もしくはうまくパソコンと補完できるものとか。
パソコンを持っている事が前提のコンポーネントなのでそれは考慮すると…
- オーディオ機器の形をしていないと落ち着かない
- 使っているのがデスクトップパソコンなので、電源入れてるとうるさい
- ファンの音がすると気になる
- AirMac Expressを使えない理由がある(5も関係しますが)
- パソコンの場所がリスニングポイントともステレオの位置とも離れている
- 大容量でないiPodに収まるくらいの曲数だ
- 逆に、とんでもない量のCDを持っている
- 整理整頓は得意だ
- オーディオセットを新規にひとそろい買おうと思っている
- 音が良くないと気になって仕方ない
これらに大体当てはまる人向けでしょうか。なんとなく思いついたのを並べてみたら実際AppleTVとAVアンプをつないで居間で親に使わせてるのをこれに入れ替えても構わない位の条件ではあるなあ(iPod touch必須で)。
パソコンが得意だったり、ネットワークオーディオに早くから取り組んでいる人だと、パソコン+オーディオカード、AirMac Express
with
iTunes、PS3+DLNA、iPod+デジタルOUTのトラポ(iTransport,ND-S1)、LINNのDSシリーズのどれかを既に使っているような気がします(私はLINN以外全部やりました)
iPod接続のミニコンポ、ラジカセ(死語)よりは音も良くて便利な世界がありますので、是非チャレンジしてみてください。
Phile-web スペシャル企画:パイオニア「PDX-Z10」を読者がレビュー!
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