7月末の発表以来注目していたONKYOのiPod/PC向けiPod用デジタルトランスポート ONKYO ND-S1がついに発売されました。
写真だと只の大きいiPod Dockですが、この製品の注目すべきところは「デジタル音声出力しかついていない」というところです。iPodの音楽をデジタルデータのまま取り出し、それを光デジタル端子や同軸端子からS/PDIFの信号として出力、高品質な単体DACやDAC内蔵のアンプ(AVアンプ、ステレオアンプ)に接続することで従来のiPod Dockよりもいい音で再生が出来るようになります。
同様の仕組みを備えているのは海外製のWadia170 "iTransport"(¥59,800)という同タイプの製品の他、こちらも海外製KRELLのプリメインアンプ S-300i(¥399,000)、パイオニアの高級AVアンプ、マランツの外部入力対応CDプレーヤー CD6003(¥49,800)といった限られた製品しかありません。
iTransportの価格を念頭に置いて、事前に試聴した方々が¥29,800位かなぁと呟いていたら、正式発表ではなんと半額の¥15,000で販売という事でみんな相当驚きました。
最近のiPodに付属しているDockアダプタ対応ですので、あの白いパーツをはめ込む事で各iPodを設置することができます。推奨はされませんが、iPodにケースを取り付けている場合はDockアダプタなしでも設置可能な場合があります。ただし、設置したままiPodのクリックホイールを操作するとぐらぐらするのでコネクタを壊さないようにしてくださいね。
ボタンは左側に電源、右側にiPod , PC , SYNC/UNSYNCの3つが並んでいます。
USB接続したPCからはUSB DACに見えるのでPCに切り替えると直接音楽再生も可能です(iTunesに限らず、全ての音が再生できます)。デスクトップパソコンに指していた光デジタル端子付きのサウンドカードが不要になっちゃいました…。
また、音楽再生と別に、SYNC/UNSYNCボタンを押すとiTunesからiPodがUSB接続されているように認識されるため同期がかかります。
リヤパネル側は最初にお伝えしたように赤白のアナログ出力がなく、5Vの電源、映像出力(使う人いるのかな)、USB、同軸、光デジタル出力、ONKYOにつきものの連動用RI端子という構成です。
真ん中に説明の無い謎端子があるんですが、これはなんでしょうね…?
iPhone3GSはサポートされていませんが、毎度の警告表示は出るものの問題なく音楽再生できました。32GBは大きいとはいえ、Appleロスレス主体の私の場合はiPod Classic 160GB(旧モデル)の指定席になりそうです。
さて、実際に再生してみたところ、確かにはっとする程すばらしい音がします。PCからのUSB出力もいい音でした。ただ、メディアサーバーになっているうちのデスクトップPCはファンがうるさいので、iPodからいい音が出せるならそれに越したことはありません。STAXはオープンエアのヘッドホンなので環境音がスルーで入ってきちゃいまして…。
赤外線リモコン付きではあるものの正直余り操作性は良くないんですが、それでも高ビットレートのAACやApple ロスレスフォーマットでCDと同じ音質のシステムをコンパクト、大容量かつ静かに組めるのはすばらしい!
すっかりCDプレーヤーから音楽再生しなくなった我が家はiTunesのエコシステムにどっぷり浸かってAirMac Express with AirTunesやApple TV、iTunesからのデジタルアウトなどの様々な方法を取り揃えていますが、本命ND-S1が一気に先頭に立ちそうです。
ピュアオーディオ派の人から注目されていたのか、出荷されたとたんに店頭で売り切れ続出になったのもうなずけます。ニッチ商品だからと予約しないで楽観視していたら在庫のある店を探して彷徨う羽目になりました。
今週末辺りから第二ロットが入荷するようなので、iPod(Shuffle以外)とデジタル入力付きのコンポをお持ちの方はぜひ購入してみてください。ポータブルプレーヤーだと思っていたiPodを見直す機会になりますよ。
しかし、これだけいい音で聞けるとAVアンプじゃなくて単体のDACやもう一段いいヘッドホンが欲しくなるな…買い替えスパイラルにハマりそうです。
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